ソラマメブログ

2008年07月14日

『CROSS DEMO版』



横断歩道の前で白い杖を持った少女が信号が変わるのを待っている。
夏の日差しを大きな麦わら帽子で遮り、清楚なワンピースを着ていた。

名前はハトといい盲目だった。

ハトにとって世界は闇で、それが普遍的な事実だった。
不思議なことに彼女は物語の中のどんなものでも想像できたし、
想い描く形は実際のモノと大きな違いは無かった。
彼女は編集社に向かうところだ。
世の中には点字化されていない本がまだまだ多い。




神父は朝の祈りを終えると、いつものようにステンドグラスを眺めた。
色とりどりのガラス板で絵が作られ、聖書物語が陽光を受けて輝いていた。
教会に一枚だけある不気味なステンドグラスに目がいった。
それは黙示録で四頭の馬が天から駆け下りてくる様子だった。
戦争、飢饉、疫病からの死を意味する三頭の馬。
最後に神々しい白馬に股がった神の子が描かれていた。

チャールズはその世界が一掃される『粛正の時』に怯えていた。

彼には誰にも言えない秘密があるのだ...




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